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Cross-protection efficacy of APM777 vaccine in pigs challenged with Actinobacillus pleuropneumoniae
Oshima, A.1), Kamada T.1), To, Ho.1), Teshima, K.1), Tsutsumi, N.1)
1) Nippon Institute for Biological Science
8th Asian Pig Veterinary Society Congress 2017, Wuhan, China
【Introduction】Actinobacillus pleuropneumoniae (App) causes porcine contagious pleuropneumonia. To date, 16 serotypes are known, and serovar prevalence was reported to vary depending on the continent and time. In the present report, We sought to determine whether the APM777 vaccine can confer cross-protection against challenge with App serotype 7.
【Materials and Methods】
APM777 vaccine components
The vaccine contains 7 components in alum adjuvant, three inactivated App cells (serotypes 1, 2 and 5), three toxoids (recombinant ApxI, ApxII and ApxIII), and bacterin of Mycoplasma hyopneumoniae.
【Animal experiment】Specific-pathogen-free pigs (four pigs per groups) were administrated intramuscularly with 2 mL of APM777 vaccine twice at a 3-week interval. Another group of four pigs served as non-immunized control. The immunized pigs were daily observed for adverse reactions following injections of vaccine. Two weeks after the second immunization, the pigs of vaccinated and control groups were challenged intratracheally with App serotype 7. The challenge dose at that time was 10^8 cfu/head. Clinical symptoms were observed for 1 week after challenge and euthanasized under deep anesthesia. Lung lesions were then scored for each individual's lungs. Lung lesions were cultured overnight at 37 °C on chocolate agar plates.
【Result】After challenge with App serotype 7, only 1 out of 4 pigs in the control group survived, whereas 3 out of 4 in the vaccinated group remained. Scores of lung lesions were 11.0 for the control group and 8.3 for the vaccine group. App was isolated from all lung lesions in vaccinated and control groups.
【Discussion】The survival rate of the vaccinated group is higher than that of the control group, and it is considered that the antigen against ApxII contained in APM777 provided a protective efficacy against challenge with serotype 7 possessed only one Apx toxin, ApxII. There was a difference in the score of pulmonary lesions between the vaccinated and control group. In conclusion, these data suggested that APM777 shows cross-protective effect against different serotypes.
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馬鼻肺炎生ワクチン(エクエヌテクト ERP)について -妊娠馬への効能追加-
大森崇司
一般財団法人日本生物科学研究所
第45回生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウム(日本中央競馬会主催)、2017年
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馬鼻肺炎生ワクチン(エクエヌテクト ERP)について -妊娠馬への効能追加-
大森崇司
一般財団法人日本生物科学研究所
生産地等における馬防疫強化対策事業等推進会議 (一般社団法人青森県畜産協会)、2017年
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日本国内における豚サーコウイルス2型(PCV2)の分子疫学的解析および豚サーコウイルス3型(PCV3)の検索
林志佳1)、佐藤哲朗1)、大島義之1)、古谷嘉章1)、長尾亜貴1)、小祿和希1)、堤信幸1)
1)一般財団法人日本生物科学研究所
第160回日本獣医学会学術集会、2017年
要旨:【背景と目的】豚サーコウイルス2型 (PCV2) は、豚にサーコウイルス関連疾病 (PCVAD)と総称される多様な病態を引き起こす。PCV2の遺伝子型は、ORF2の塩基配列によりa〜e型の5つに分類される。流行株の遺伝子型は、2004年頃にa型からb型へ、2012年以降にd型への世界的な遷移が報告されている。しかし、日本国内で流行しているPCV2の遺伝子型に関しては、2008年にTakahagiらが報告しているのみである。一方、2016年に米国において、原因不明の全身性炎症を示した豚から新規豚サーコウイルス (PCV3) が同定された。そこで本研究では、近年の日本国内におけるPCVの流行状況を把握することを目的に、PCVADを疑う症例からPCV2およびPCV3を検索し、分子系統解析を行った。【材料と方法】2015~2016年にPCVADを疑う48農場149頭から検体を採集し、PCV2 ORF2領域をPCR法によって増幅した。増幅されたPCR産物の塩基配列を決定した後、分子系統解析を行った。同様に2016年に採集した27農場74頭からPCV3を検索し、全ゲノム配列を決定した後に分子系統解析に供した。【成績と考察】国内の8農場、9頭からPCV2遺伝子が検出され、分子系統解析によって、1検体がa型、2検体がb型および6検体がd型に分類された。また、6農場、7頭からPCV3遺伝子が検出され、2016年に報告された米国分離株ゲノムと99.4%の相同性を示し、最も近縁であった。以上より、近年の日本国内においてはd型が最も優勢な遺伝子型になっていることが示唆された。本研究で検出されたPCV3は、既知の米国野外株と非常に高い相同性を示したことから、日本国内への本ウイルスの侵入が明らかになった。本研究は国内におけるPCV3検出の初報告である。
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Involvement of non-vesicular transport type of autophagy in encephalitis virus
replication
Fujiwara, Y.1), Oroku. K.2), Oshima, Y.2), Furuya, Y. 2), Hase, K.1), Contu, VR.1), Takahashi, M.1), Kabuta, C.1), Sato, T.2), Tsutsumi, N.2), Wada, K.1), Kabuta, T.1)
1) Department of Degenerative Neurological Diseases, National Institute of Neuroscience, National Center of Neurology and Psychiatry
2) Nippon Institute for Biological Science
第60回日本神経化学会大会、2017年
Degradation of unnecessary or toxic materials within cells including neurons by lysosomes plays crucial rolls in maintenance of intracellular environment, and thus, is important for physiological homeostasis. For example, dysfunction of RNase T2, a major ribonuclease in lysosomes, causes leukoencephalopathy. Systems in which intracellular materials are delivered into lysosomes and degraded are called autophagy in the broad sense. Mutations in genes related to macroautophagy, the most well-defined type of autophagy, have been reported to cause neurodegenerative disorders in human. We have previously identified a novel type of autophagy, RNautophagy/DNautophagy (RDA), where lysosomes directly take up and degrade RNA and DNA without involvement of vesicular transport. However, physiological and pathophysiological significance of these pathways remained largely elusive. Viruses produce various kinds of nucleic acids in host cells upon replication. We hypothesized that RDA can suppress virus replication by degrading such viral nucleic acids. In this talk, I will present our recent advances in the study on anti-viral role of the RDA against encephalitis virus.
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実験用ミニブタ飼料の紹介
片桐公一
一般財団法人日本生物科学研究所
第5回日本先進医工学ブタ研究会、2017年
要旨:研究あるいは医薬品等の開発に使用する実験動物用飼料の重要性については、論を俟たないであろう。国内で維持・生産されているミニブタは実験動物として供給されており、他の実験動物と同様に給与する飼料による実験結果への影響、データのバラツキ等をできる限り少なくするために規格管理された飼料の給与は重要である。
当研究所で販売しているミニブタ用飼料(商品名:NS)は、当研究所において開発したペレットタイプ(約φ4 mm×10 mm)の飼料で、包装は10 kg/袋となっている。月齢によって制限給餌量は異なるが、離乳時から給与可能である。当研究所の生産施設においても育成ミニブタには同じ飼料を使用しているが、放射線滅菌後に給与している。製造ロット毎に飼料成分、コンタミナントについて検査を実施しており、要望に応じてユーザー様に配布している。NSの制限給餌下で、6及び10ヵ月齢時のNIBS系ミニブタの体重(平均値±標準偏差)は雄では19.6±1.0kg及び28.0±1.3kg、雌では20.5±2.8kg及び30.1±2.8kgとなる。今回、当研究所で販売しているNSの特徴について試験データを交えてご紹介する。
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豚胸膜肺炎ワクチン免疫血清中の抗体価測定のためのELISA法の検討
手島香保1)、TOHO1)、堤信幸1)、鎌田崇1)、小玉敏明1)、近藤朋美1)、眞柄麗1)、岩﨑紗枝1)、渋谷一元1)
1)一般財団法人日本生物科学研究所
日本家畜衛生学会第 87 回大会、2017年
【はじめに】豚胸膜肺炎は、Actinobacillus pleuropneumoniae (App) を原因とし、豚に甚大な被害を及ぼす呼吸器疾病である。Appは、莢膜多糖 (CPS) の抗原性の違いに基づき、16の血清型に分類され、日本では、2型、1型、5型、15型の順に多い。本疾病の抗体検出法として、これまで自家開発の菌体オートクレーブ抗原を用いたサンドイッチELISA (菌体ELISA) を実施してきたが、非特異反応が出現することがあり問題となっていた。近年、CPSやLPSを抗原に用いた新たなELISAの作出も報告されている。しかし、これらのELISAを用いてワクチン抗体を検出できるかは不明であった。そこでCPSおよびLPSを抗原としたELISA (LPS ELISA) を作出し、Appワクチン免疫血清の抗体価測定における有用性を検討した。【材料と方法】LPS ELISAはApp 1型、2型および5型からホットフェノール抽出したCPSを含むLPSを抗原として使用し、間接法に基づき実施した。菌体ELISAはLPS ELISAと同一の菌株をオートクレーブ処理した菌体を抗原として使用し、サンドイッチ法に基づき実施した。ワクチン免疫した実験豚の抗体応答を調べる為に、App1.2.5型を含む不活化ワクチンであるAPXMEワクチンで免疫後、App 2型を気管内投与し攻撃した実験豚から採取した血清を用いて、2つのELISAで測定し相関を調べた。またワクチン免疫した野外豚の抗体応答を調べる為に、App1.2.5型を含む不活化ワクチンであるAP125RXワクチンで免疫した野外豚から採取した血清を用いて、2つのELISAで測定し相関を調べた。【結果】LPS ELISAの非特異反応の有無を調べる為に、菌体ELISAで非特異反応を示した血清を測定した結果、いずれの検体にも非特異反応は認められなかった。LPS ELISAの特異性を調べる為に、App1.2.5型をそれぞれ豚に気管内投与し、1週間後採血した血清を陽性血清として、同一および異なる血清型の組み合わせで測定した。その結果、1-2-5型間で交差反応は認められなかった。実験豚でのワクチン免疫血清の抗体応答を調べた結果、免疫群は攻撃時にApp1型、2型および5型に抗体上昇が認められたのに対して、対照群は攻撃後に2型のみ上昇が認められた。また菌体ELISAとLPS ELISAの間には高い相関が認められた。野外でのワクチン免疫血清の抗体応答を調べた結果、App1型、2型および5型において菌体ELISAとLPS ELISAの間には高い相関が認められた。【考察】LPS ELISAは、(ⅰ)菌体ELISAに比べて非特異反応がない。(ⅱ)血清型特異的なLPSとCPSを抗原としている為、LPSに対する抗体応答を特異的かつ高感度に検出できる。(ⅲ)間接ELISAである為、サンドイッチELISAに比べてより作業工程が簡潔である。(ⅳ)感染血清のみでなく、免疫血清の抗体価も測定できる、といった利点を持った有用な抗体検出法と考えられた。
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馬鼻肺炎生ワクチンに係る情報提供
大森崇司
一般財団法人日本生物科学研究所
平成29年度第2回軽種馬飼養農場等の馬自主防疫推進検討会、2018年
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ブタの肝臓:肝異栄養症を疑う
小野浩輝
一般財団法人日本生物科学研究所
平成29年度第2回軽種馬飼養農場等の馬自主防疫推進検討会、2018年
【標本】肝臓、4%パラフォルムアルデヒド・リン酸緩衝液固定、HE染色【動物】ブタ、雌、55日齢
【臨床事項】母豚250頭規模の養豚場の子豚において、ブルーイヤーを呈して、衰弱・死亡する個体が増加した。1ロット当たりの発病率は約20%、死亡率は約1%であった。提出例は病性鑑定のために鑑定殺に供された5例のうちの1例である。
【肉眼所見】鑑定殺に供された5例に共通して肺門リンパ節の腫脹が観察された。その他、提出例では暗赤色肺、腸間膜リンパ節の腫脹が認められた以外、肝臓を含む他の諸臓器に著変は認められなかった。
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